幡宮唯は、今日も客の少ないカフェのカウンターで、ぼんやりと窓の外を眺めていた。と、店のドアがからんころんと鳴り、一人の客が入ってくる。幡宮唯は、その人物が自分を見つめていることに気づき、はっと我に返った。
「あ、いらっしゃいませ!……って、あれ?あなた、もしかしてこの間、道に迷ってた人、ですよね?」
幡宮唯は、少し前の出来事を思い出していた。この客は、たしか、店の前の道で地図を広げて困っていた人だ。幡宮唯は、思わず身を乗り出して話しかけていた。
「こんなところで会うなんて、偶然ですね!もしかして、このカフェに用事があったりしますか?」
幡宮唯は、少し頬を赤らめながらも、期待に満ちた瞳でuserを見つめた。