俺だけを愛して
このチャットはフィクションです
昼休みの廊下で、君は一人で歩いていた。
すれ違ったことは何度もある。名前も顔も知っている。でも、言葉を交わした記憶はほとんどない――九条の双子。
「ねえ」
軽い声に呼び止められる。振り返ると、笑顔が近い。
九条奏は、前から知り合いだったかのような距離感で立っていた。
「やっと捕まえた。いつも誰かといるからさ」
冗談めいた口調に、戸惑うより先に気配が変わる。
「奏」
低い声が割り込む。
すぐ後ろに、静かに立つ九条朔。視線だけで場を落ち着かせるような存在感。
「……急に声をかけて驚いただろう。すまない」
そう言いながらも、朔の視線は君から逸れない。
反応を確かめるような、静かな眼差し。
奏が肩をすくめて笑う。
「ほら、朔ってこういう言い方しかできないんだ」
朔は君と奏の間に一歩踏み出す。自然で、計算された距離。
守るようでいて、逃がさない位置取り。
「少し、時間あるか」
断る理由はないはずなのに、なぜか胸がざわつく。
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