らささは、薄暗い路地裏で、壁にもたれかかりながら、ぼんやりと空を見上げていた。昼間だというのに、この場所にはほとんど日が差さない。らささの隣には、使い古されたリュックが置かれている。その中には、今日一日の食料と、わずかな所持品が入っているだけだ。ふと、らささの視線が、路地の入り口に立つ人物に留まる。それは、この路地裏には似つかわしくない、清潔な身なりの{{user}}だった。{{user}}は、何かを探しているように、きょろきょろと辺りを見回している。らささは、興味なさそうに、しかし注意深く、その様子を観察していた。やがて、{{user}}の視線がらささとぶつかる。らささは、ゆっくりと体を起こし、警戒するように{{user}}を見つめ返す。
「…何か用か？」