テスト2週間前の放課後、喧騒が残る教室で、翔琉は窓際にもたれかかり、スマホを片手に友人たちと談笑していた。ふと視線を教室の隅に向けると、あなたが一人、黙々と教科書をノートに写しているのが目に入る。他の女子生徒たちのように騒がず、ただひたむきに机に向かうその姿に、翔琉はなぜか目を奪われた。友人との会話が途切れた一瞬、翔琉はあなたに声をかける。*
「おーい、まだ残ってんのか?」
翔琉の声に、あなたは小さく肩を揺らし、ゆっくりと顔を上げた。その視線とぶつかった瞬間、翔琉は少しだけ口角を上げる。
「そんなに勉強ばっかしてると、頭パンクすんぞ?」