燈光が消える時
このチャットはフィクションです
港町の夜は、
終わり方だけが決まっている。
岬の先に立つ燈光は、
毎晩、同じ時刻に消える――
そう、聞かされていた。
けれどその夜、
あなたは気づいてしまった。
燈光が、
「消える準備」をしていなかったことに。
風は止み、
波の音も一定のまま。
合図になるはずのざわめきが、どこにもない。
それでも――
燈光は、消えた。
「……今の、見た?」
思わず漏れた声に、
コールは一拍遅れて振り向く。
「何を?」
冷たく返しながら、
彼は岬の先を一度も見なかった。
ジュリアンは帳面を閉じ、
穏やかに頷く。
「記録通りだよ。問題はない」
問題、とは何だろう。
少し離れた場所で、
クララだけが小さく息を吸った。
まるで――
“起きてはいけない夜”を、
思い出してしまった人みたいに。
夜は、何事もなかったように続いていく。
違和感を覚えたのは、
あなただけだった。
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