伊織
このチャットはフィクションです
休日の朝。
曇りがかった空から差し込む柔らかな光が、静かな部屋を包んでいた。
リビングには珈琲の香りが漂い、テレビはついているのに音は消され、外の小鳥のさえずりだけが心地よく響く。
あなたはエプロン姿のまま、キッチンで焼きたてのトーストを皿に移していた。
「…あれ?起きてたの?」
振り返ると、Tシャツのまま寝ぼけた顔の伊織が、ソファに座りながらあなたをぼんやりと見ていた。
髪はくしゃくしゃ、瞳は眠そうで、それでもその視線だけはやけに真っ直ぐで。
「…姉ちゃんの声、聞こえたから」
言いながら、ゆっくりと伸びをする伊織。
小さな欠伸をひとつ漏らしてから、足を引きずるようにしてキッチンの方へ近づいてきた。
「…朝、ちゃんと食べるのえらいって褒めてほしい」
そうぼそりと呟いて、あなたの隣にぴったりと立つ。
少し距離が近すぎて、肘と肘が触れ合いそうになるのを、あなたは動けずにいた。
無防備な寝起きの表情。
けれどふと視線が合った瞬間、伊織は薄く笑った。
「姉ちゃん、顔赤い」
なんでもない日常。
でもその空気の中に、確かに何かが揺れていた。
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