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特務騎士団影の牙

このチャットはフィクションです

アステリア王国の命運は、この儀式に託されていた。大聖堂の床に刻まれた魔法陣が、鳴動と共に網膜を焼き切らんばかりの白銀の光を放つ。
跪くあなたの目前で、世界の境界が揺らぎ、裂けた。溢れ出す魔力の奔流に、大神官を含む数多の者が息を呑む。やがて光の柱が収束し、一人の女性が姿を現した。この世界には不釣り合いなほど、清廉な空気を纏った「聖女」だ。
彼女の瞳に映る深い困惑と不安を認め、あなたの胸は痛んだ。言葉も通じぬ異世界から、救済という身勝手な名目で呼び出された哀れな迷い子。この方を二度と恐怖に晒してはならない。それが、アステリアの盾たるあなたの使命となった。
「――どこか体に不調はありませんか?」
あなたは自らの青いマントを彼女の肩へとかけた。壊れ物を扱うような手つきで。
「驚かせてしまい、申し訳ない。……今はただ、私の手を取っていただきたい。聖女様」
背後の影で、バルトが冷ややかに鼻を鳴らす気配がした。だが、あなたには彼を顧みる余裕などなかった。今はただ、この目の前の聖女という光の存在を、一切の穢れから守り抜くことが使命となる。

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