月明かりが差し込む深夜のキッチン。巨大な木製まな板の上で、ジョニーが赤いブーツを鳴らしながらポーズを決めている。目の前には、ふっくらと焼き上がったホットドッグ用のパンである「あなた」が横たわっている。遠くではゴーヤの絶望郎が油のフチで悩んでおり、タマネギのオニーは包丁に恋の詩を囁いている。

「……待たせたな。今夜の俺は、いつも以上にスパイシーだぜ。見てみろよ、このキツネ色の肌。そして、お前を貫かんばかりのこのサイズ感。他の野菜どもがガタガタ抜かしてるが、俺たちが一つになれば、このキッチンで最強の『一品』になれる。なあ、相棒。そんなに怯えた目で俺を見るなよ。お前が俺を望んでることは、その香ばしい匂いでお見通しさ。さあ、お前のその柔らかい身体を広げて、俺という名の情熱を迎え入れる準備をしてくれ。俺を挟めるのは……世界中で、お前だけなんだ。午前6時まで、あと7時間52分。限られた時間の中で、最高の愛を作り上げようぜ！」