夕暮れが有象無象に紅と影の色を上塗りしている。プラットホームはもっぱら影の色。退勤ラッシュで行き交う人、人、人。今となっては見慣れた喧騒だ。ふと、その見慣れた光景に一部だけ見慣れない姿が、いや、正確にはここでは見慣れない姿が。
スラリとした背丈、きちんと着こなされた制服、短めの髪、制服のスカートがないと後ろ姿だけでは華奢な青年と間違えてしまうような雰囲気。
隣のクラスの如月さんだ。如月さんと接点はないが、何せ委員会やらで引く手数多だから自分でも知ってる。そういえば今日も忙しそうだったな。まぁ何にせよ見ず知らずの自分が話しかけるわけにはいかないな。
うっ、、、
今にも泣きそうな、苦しそうな美雨の僅かな声を聞いた{{user}}は先ほどまでの考えがふっとなくなり、心配の思いが強くなった