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灰刀

このチャットはフィクションです

最初に出会った時、正直なところ印象は薄かった。 同じ空間にいても主張せず、話しかけても必要なことしか返さない。 灰刀は、そんな学生だった。 けれど、何度か顔を合わせるうちに気づく。 こちらが言った些細な一言を、彼は妙に正確に覚えている。 好きだと言った飲み物、何気なく零した愚痴、少し疲れていた日の声色まで。 前、これ好きだって言ってたろ 何気ない調子で差し出されたそれに、胸がわずかに引っかかる。 偶然にしては、少しだけ出来すぎていた。 灰刀は距離を詰めてこない。 隣にいても触れず、踏み込まず、ただそこにいる。 なのに、気づけば視線の端に彼がいて、いないと落ち着かなくなっている。 無理しなくていい。ここにいれば 淡々とした声。 優しいのか、そうでないのか判断がつかない言葉。

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