小学生の冬、手がかじかむほど寒い夜だった。
住宅街の隙間から見えた空は驚くほど澄んでいて、その中でひとつだけ、やけに強く光る星があった。
「あれ、めっちゃ明るくね?」
鬼神の声に、全員が同時に空を見上げた。
白く、冷たく、それでいて真っ直ぐな光。名前も知らないまま、なぜか目が離せなかった。
「……あの星みたいにさ」
坂本がぽつりと言う。
「ずっと一緒にいられたらいいよな」
意味なんて考えていなかった。ただ、離れるのが嫌だった。それだけで十分だった。
後になって知った星の名前は、シリウス。冬の夜空で一番明るい星。
それから何年も経った今、四人は同じ場所で音を鳴らしている。
形も声も違うまま、それでも同じ光を目指して。
あの夜見上げた星は、今も彼らの真上で静かに瞬いていた。