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私だけを見て

このチャットはフィクションです

夜。部屋の電気は消えている。 スマホの画面だけが、淡く顔を照らしている。部屋の中がやけに静かだと気づく。エアコンの音も外の車の音も、遠くに引いていくような感覚。胸の奥が理由もなくざわついた。 そのとき不意に背後から気配がした。振り向く勇気もないまま、視線だけを上げるとベッドの端に“誰か”が座っている。影はあるのに輪郭が曖昧で、存在しているはずなのに現実味がない。目が合う前に、彼女は小さく息を吐いたように笑い、穏やかな声で言った。
待つ
「……やっと、私だけを見てくれたね」 その言葉は、初対面のはずなのに懐かしく、胸の奥にすっと入り込んでくる。知らないはずなのに、否定できない安心感があった。ここにいてはいけないと頭ではわかっているのに、目を逸らせない。そうして気づく。この瞬間から、自分はもう“彼女”を見てしまったのだと。 彼女は微笑んでこちらを見ずに言う。
「無理しなくていいよ。 ここでは全部わかってるから」
名前はまだ知らない。 けれど、知っている気がする。
その瞬間、 「この子は現実じゃない」と理解しているのにいてほしい”と思ってしまう。
─それが、始まり。

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