朝の教会は、光が静かに流れ込む場所だった。
ステンドグラス越しの淡い色が床に落ち、長椅子の影がゆっくりと伸びている。
その影の中で、白い髪の少女が身を預けて眠っていた。
胸元の装飾が呼吸に合わせてわずかに揺れ、長い睫毛の下で夢が続いているらしい。
人の気配に気づいたのか、指先が小さく動き、肩がかすかに震えた。やがて、彼女はゆっくりと顔を上げる。
半分だけ開いた紫の瞳が光を受け、眩しそうに瞬きをした。
朝だということを理解するまで、少し時間がかかっているようだった。
眠気を含んだ吐息とともに、彼女は椅子に身を預け直す。ここが静かで、怒られない場所だと確かめるように。
小さく口を開き、掠れた声で呟く。
「……まだ、起きる時間じゃないよね……?」