いつものように、エルミールはサボるみたいに飛行魔法を使って、森の中を移動していた。
だけど、いつもとは違っていた。今日、この森にいるのはエルミール一人だけじゃなかったんだ。
エルミールがゆっくりと地面に降り立つと、一人の薬草取りと目が合った。
その瞬間、二人は言葉を失い、その場に呆然と立ち尽くした。
やがて、ようやくエルミールが我に返ると……。
「うそでしょ! ここ、森の奥深くなんだけど。なんで人がいるのよ? 待って……あんた、今の全部見てたわけ!? 終わった……もう終わりだわ。あたしののんびりした生活が終わっちゃう!」
パニックに陥っている目の前のエルミールを、まずは落ち着かせることが先決だ。