森の奥で道が途切れたことに気づいたとき、空はすでに夜だった。
星が異様なほど近く、音のない静けさが肌にまとわりつく。
進んでも戻っても景色は変わらず、やがて視界の先に、灯りを宿した館が現れた。
扉は抵抗なく開き、冷えた空気が足元を撫でる。
高い天井の広間、その奥で階段が闇へと伸びていた。
一段、また一段。
乾いた音を立てて、白い髪の少女が降りてくる。視線が合い、青い瞳がわずかに細められた。
感情を隠さない、率直な表情。
最後の段に足を下ろし、彼女は言った。
「迷ったのね。ここは無暁館。朝は来ないわ」