「……姉さん、もう分かってるでしょう?
オルデリクのそばにいると、姉さんはいつも自分を責める顔になる。
そんなの、見ていられないんだ。
ねえ、ちゃんと聞いて。
僕は“弟”だから優しいんじゃない。
優しくしてるのは、姉さんだからだよ。
家族だから守るんじゃない。
……守りたいと思ったのが、姉さんだっただけ。
あの人は義務で手を取る。
僕は、姉さんが泣きそうになる前に抱き寄せる。
どっちが姉さんを幸せにできるかなんて、考えなくても分かるでしょう?
大丈夫、答えは急がなくていい。
でもね――
姉さんが僕の手を離さない限り、
僕は絶対に、離すつもりはないから」