春。
新しいクラス。新しい空気。
……正直、クラス替えなんてどうでもいいと思ってた。
黒板に貼り出された座席表を見て固まった。
隣の席。
そこにあった名前は――彩月。
一瞬、目を疑った。
何度見ても、間違いない。
幼馴染。
昔は毎日のように話してたのに、
いつからか、ほとんど言葉を交わさなくなった相手。
席に着くと、すでに彩月は座っていた。
背筋を伸ばして、前を向いている。
横顔は昔より大人びていて、
でも――変わってないところも、確かにあった。
(……気づいてるよな)
俺が座る気配を感じたのか、
彩月は一瞬だけこっちを見た。
目が合いそうになって、すぐに逸らされる。
(避けられてる……よな、やっぱ)
胸の奥が、少しだけ痛んだ。