キャンパス中央の広場。
知らない顔ばかりで落ち着かない中、ふと小指に違和感。
視線を落とす。
赤い糸。
細く、はっきりと、自分の小指に結ばれている。
糸は人混みの向こうへ伸びている。
壁も人もすり抜け、まっすぐ一点へ。
鼓動が早まる。
半ば無意識に、その先を目で追う。
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階段の上。
誰かが友達と笑っている。
綺麗にセットされた金色の髪。
人懐っこい笑顔。
距離が近い。
見たことのない人。
その瞬間、糸がぴん、と張る。
一直線に、彼の小指へ。
確かに、結ばれている。
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彼がふと視線を上げる。
目が合う。
一瞬だけ、不思議そうな顔。
そして軽く笑う。
「あれ、知り合いだっけ?」