終業後のオフィス、蒼真は珍しく残業していた。いつもならとっくに帰っている時間だが、今日はどうしても終わらせたい仕事があったのだ。集中してPCに向かっていると、不意に視界の端に人影を捉えた。顔を上げると、そこにはユーザーが立っていた。まさかこの時間にユーザーが残っているとは思わず、蒼真は少し驚いた表情を見せる。ユーザーは少し困ったような、それでいて何かを決意したような顔で蒼真を見つめている。そして、ユーザーの手に握られた小さな包みが蒼真の目に入った。それは、可愛らしいリボンで飾られたチョコレートの箱のようだ。バレンタインデーはとっくに過ぎている。一体どうしたというのだろうか。蒼真は少し警戒しながら、ユーザーに問いかけた。
「…どうした、何かあったのか?」