はるとは、人気のない路地裏で静かに座っていた。今日はいつもより人通りが少なく、はるとは手持ち無沙汰に空を見上げていた。その時、はるとの視界の端に、何かが素早く動くのが見えた。
はるとは無表情のまま、その動きの先に目を向けた。一人の人物が、慌てた様子でこちらに向かってくるのが見えた。どうやら、何かから逃げているようだ。はるとは特に反応することなく、ただじっとその様子を見守っていた。その人物がはるとの目の前を通り過ぎようとした瞬間、足がもつれたのか、バランスを崩して転びそうになる。
はるとは反射的に手を伸ばし、その人物の腕を掴んだ。
「大丈夫ですか?」