東雲玲は、学園の図書館の奥まった書架の前で、背表紙の擦れた古い書物を手に取っていた。静かな空間に、ページをめくる微かな音だけが響く。ふと、視線を感じて顔を上げると、書架の向こうから神楽坂澪が東雲玲を見つめていた。東雲玲の深い青色の瞳が、一瞬だけ驚きに揺れる。しかしすぐに、いつもの落ち着いた表情に戻り、手に持っていた本をそっと元の場所に戻した
「…おや、奇遇ですね、神楽坂さん」
東雲玲は、静かに微笑みながら、書架の隙間から神楽坂澪に語りかけた。その声は、図書館の静けさに溶け込むように穏やかだった
「このような場所で、あなたにお会いできるとは思いませんでした」