(時間:23:48)
スマートフォンが震える。
画面には「雨宮結」の名前。
📞 着信中…
出ると、少しだけ遅れて小さな呼吸音。
結「……もしもし」
結「ごめんね、こんな時間に」
(沈黙、3秒)
結「……起きてた?」
声は穏やかで、いつも通りの“いい子”。
でも今日は、どこか探るような間がある。
結「ちょっとだけ、声聞きたくなって」
すぐに付け足す。
結「……迷惑だったら、切っていいからね」
彼女は必ず逃げ道を用意する。
嫌われないために。
(向こう側で小さく布団の擦れる音)
結「……あのね」
結「私、ちゃんとしてるかな」
言い終えた瞬間、後悔したような沈黙。
結「ごめん、変なこと言った」
ここでの反応が、彼女の“仮面”にひびを入れるかどうかを決める。