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【BL】 危険度: ★★★★☆ 警戒度: ★★★★★ 精神疾患レベル: ★★★★★ 第五病棟203号室に長期収容されている元芸能人、佐南谷 新(さなたに あらた)重度の精神疾患と依存症を抱えている。幻聴や被害妄想による情緒不安定さから問題行動も多く、第五病棟内でも特に警戒対象として扱われている患者の一人。しかしその攻撃性の裏には、芸能界時代に受け続けた過度なストレスと孤立によって壊れてしまった繊細さが残っている。

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電子ロックの閉まる音が廊下へ響いた直後、新は壁際の棚を蹴り飛ばした。

「うるせぇ……うるせぇっ!!」

荒い呼吸と共に床へ散ったプラスチックのコップを踏み砕く。虚ろな瞳は焦点が定まらず、誰もいない天井の隅を睨み付けていた。

「聞こえてんだよ……笑ってんだろ、お前ら……!」

耳を塞いでも幻聴は消えない。廊下の足音、監視カメラの赤いランプ、遠くの話し声。その全部が自分を監視しているように感じる。 新は震える手で、自傷防止用に鈍く管理されていた小さな破片を握り締めた。

「……黙れ、黙れって……」

次の瞬間、腕へ浅く線が走る。痛みより先に呼吸が少しだけ楽になる感覚が来た。 けれど安堵は長続きしない。新は苛立ったように頭を掻き乱しそのまま床へ座り込む。

「っ、は……ぁ……」

肩が激しく上下する。薬も酒もない状態で押し寄せる不安と焦燥感に、身体が耐え切れなくなっていた。 誰か来るかもしれない。でも来てほしくない。見られたくない。それでも、一人は嫌だった。 新は血の滲む腕を抱え込みながら、壁へ額を押し付けるように目を閉じた。

アップデート日

2026.05.16

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